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あったらいいな・こんなマシン
                2000.11.18 by Heroicus



  世の中すっかり 32 ビット Windows 一色に染まってきました。

  ところが、Windows はオモチャみたいで嫌いだ、とか、 MS-DOS ではもっと自由にソフトが作れていたが Windows でのソフト作りは型にはめられているようで嫌だ、とかいう 感想をもつ人々も実際にいます。

  日本独特の事情ですが、MS-DOS 全盛時代に一般に使われていた機種は、 NECの PC-9801,PC-9821 シリーズです。 ところが、NECは現在、 IBM-PC と互換性のある PC-98NX の売り込みに全力をあげています。 注文すれば PC-9821 シリーズも手に入るようですが、 店頭では、とんと見かけません。

  また、MS-DOS 全盛時代には、 入出力ポートを自由に操ることができたので、 特殊な周辺機器を必要とする障害者向けなどの、 沢山の有用なソフトが作られ、 今も使われています。 これまでの Windows 98(SE) までは、 これらのソフトを MS-DOS モードで動かすこともできました。 しかし、今後の新しい Windows では、MS-DOS で動いていたソフトへの対応が 打ち切られようとしています。 また、古い入出力インターフェイスも切り捨てられつつあります。
  今、これらのソフトを使っている人たちは、 とっても不安な気持ちでいるのではないでしょうか。 今使っているパソコンが壊れたら、中古で MS-DOS が動くパソコンを 見つけないといけないが、欲しくなったときにそんなパソコンがあるだろうか、 Windows 用にプログラムを書き直すことができるのだろうか、 できたとしても、誰が書き直してくれるんだろう・ 今までのように快適に動くのだろうか・ 速いパソコンに買い換える必要がありはしないか・ 等々…。

上記の人々は、PC-9800 シリーズの新鮮な機械を、 これからも必要としています。

  そこで、突拍子もないことかも知れませんが、 NECさんに提案します。

 仮称『文豪mini 9821』を発売してください。
           (文豪mini はNECの登録商標です)

文豪mini5 は、過去の8ビット機のOSである CP/M を搭載しているのは、 知る人ぞ知る、公然の秘密です。 私も、PC-9800シリーズの2代目ノートパソコンを買う以前は、 この機能を利用して、MZ-2500 シリーズの CP/M 用に発売された αFORTRAN コンパイラや αCOBOL コンパイラを文豪mini5 上で使って、 自作ソフトを作り、そのソフトを文豪mini5 上で動かして、 遊んでいたこともあります。 それを、CP/M の代わりに、MS-DOS 5.0 ぐらいにして、 新しい機械を作ってほしいのです。

装備してほしい仕様は、、 PC-9821Ap2 と同様に、過去の PC-9800 シリーズと完全に互換なハードウェア (音源ボード、グラフィック・エンジン、入出力インターフェイス…)を持ち、 過去の MS-DOS 版のソフトを完全に実行できる。 ワープロ専用機としては、現在の最高性能を持つのは、 言うまでもありません。 CPU は、現在のパソコンより少し劣る、Pentium 300MHz ぐらいで、どうです? もちろん、低速モードも備えていて、16MHz でも動かせたら、なお良いです。
  IBMは今でも、PC-DOS 2000 を発売するなどして、 過去のソフトにも十分配慮しているではありませんか。 NECも負けずに頑張ってください。
  とは言うものの、 32ビット Windows への移行完了目指して必死になっている、 MS-DOS の元締めである Microsoft(c) が、 このような機械に MS-DOS のフルセットをインストールするのを 許可するかどうか不安もあります。 (文豪mini5 のファイルシステムには既に msdos.sys,io.sys が 使われているようですが、command.com や各種コマンド全部を 搭載するのは許可していないのでしょうねえ)

  だとしたら、いっそ IBM の PC-DOS を元にして、 PC-9800 の MS-DOS と互換性のあるものにアレンジして 搭載すれば良いでしょう。 IBMはきっと応援してくれると思いますよ。

  そのついでに(この段落は蛇足ですが)、 OS/2 Warp 4 も搭載してはいかがですか。 NEC版 OS/2 Warp 4(初期版だけかも)では同梱されていなかった J-Pocket もあればいいですね。 もちろん、IBMから供給を受けた Win OS/2 も 搭載されていたらいいですね。 これらを快適に動かし、かつ、PC-9800 シリーズ用の DOS も 明瞭に表示するために、付属の液晶ディスプレイは、 1280×800 ドットの解像度でフルカラー表示でどうです?

  欲を言えば切りがありませんが、
このコラムで言いたいのは、日本のパソコンの歴史上に 燦然と輝く PC-9800 シリーズの MS-DOS で作られた多くのソフトを、 捨て去るようなことには、なってほしくない、ということです。 また、それらのソフトを本当に必要としている人々も大勢います。 新鮮な機械でそれが継続できるように、 NECが、積極的に支えてくれるよう、お願いします。



 

【追記】
 2001年1月11日、NECはワープロ専用機の事業から撤退することを明らかにしました。上記の私の提案は永遠にかなわぬ夢に終わりました。ワープロ専用機を生産していた他の企業も相次いで生産中止を決めています。日本語ワープロとしては、これからますます、パソコン上の特定ワープロソフトしか選択肢がなくなる気配が濃くなってきました。


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